局部修正:そこだけ直して、ほかはまったく動かさない
さんざん調整して、画面がようやく決まった。構図も光も人物の表情も満足。なのにキャラクターが着ているシャツの色だけが違う。あるいは後ろに通行人がなぜか立っていて、どう見ても興ざめ。こういうときがいちばん迷います。全部生成し直すか。せっかくつかんだ雰囲気が二度と戻らないのが怖い。やり直さないか。でもその一か所の傷が目に引っかかる。本当に必要なのは描き直しではなく、そこだけ動かすことです。
なぜ一枚作り直してはだめなのか
ちょっとした傷に出くわしたとき、多くの人の直感は、指示を少しいじってもう一度回し、次の一枚がもっとよくなるほうに賭けることです。問題は、生成し直すと画面全体が再びシャッフルされ、残したかった九割も一緒に入れ替わってしまうこと。気に入っていたポーズ、ちょうどいい背景、めったに合わない雰囲気が全部やり直しになり、運が悪いと調整するほど悪くなります。
局部修正は別の道を行きます。核心はとても単純で、囲んだ領域だけが変わり、囲みの外のすべての画素は完全に保たれます。だから運任せの引き直しではなく、外科手術のような正確な置き換えです。あなたが指定したところだけが変わり、一部をいじって全体に響くことはありません。
流れを一通り
操作は思ったより直感的です。まず直したい画像をアップロードし、次に画像の上で修正したい領域を直接塗ります。つまりマスクを描き、システムにここだけ直してと伝えます。塗り終えたら、局部修正の指示欄でその部分を何に変えるかを記述し、最後に生成を送ります。
塗るこの工程には、ひとそろいのツールボックスが使えます。基本のブラシのほか、なげなわ、矩形、円が規則的または不規則な範囲を素早く囲むのに使え、塗りつぶしは広い面積を一度に埋め、消しゴムは塗りすぎた縁を直すのに使います。ブラシの大きさは調整でき、小さな物を細かく直すときは小さめが扱いやすく、大きな背景を処理するときは大きめがかえって楽です。塗り間違えても慌てる必要はなく、いつでも元に戻せますし、マスクをまるごと消してやり直すこともできます。
一つの実際の例
手元の画像が、全体はよいのに主役が灰色のシャツを着ていて、本当は赤がよかったとします。このときほかの設定は何もいじらず、ブラシでシャツの範囲をていねいに塗ります。襟、袖、裾も漏らさないように。マスクを描き終えたら、局部修正の指示に赤いシャツに着替えさせると書き、生成します。出てくる結果では、シャツが赤になり、人物の顔、ポーズ、背景は元とまったく同じです。なぜなら、そこは一切触れられていないからです。
同じやり方は多くの状況に応用できます。ソファに猫を一匹足したいなら、猫を置きたい位置を塗り、指示に猫を一匹追加と書く。背景のその雑物を消したいなら、まるごと囲んで背景の雑物を除去と書けば、システムがそれを消して、ついでに自然な背景を補ってくれます。出来上がりの姿が具体的に頭にあるなら、参考画像を別途添えることもできます。この欄は必須ではありませんが、添えればシステムがあなたの求めるものの姿をより明確につかめ、何度も試す手間が省けます。
二つのコツ
一つ目。マスクは縁を漏らすより、はみ出すほうがよいです。塗った範囲が直す対象を覆いきれていないと、縁に古い色や残像が一周残り、かえって不自然に見えます。対象の輪郭に沿ってていねいに塗りつぶし、必要なら消しゴムではみ出しを直すと、仕上がりがずっときれいになります。
二つ目。指示はその一部分だけを記述し、画面全体を記述しないこと。局部修正の指示は囲んだ領域がなるべき姿を語るものなので、赤いシャツに着替えさせると言えばよく、人物の容姿、背景、光まで改めて説明する必要はありません。指示が絞られるほど、システムは気を散らしません。
よくある質問
一か所直すと、隣も一緒に変わるのか。いいえ。囲みの外の画素は完全に保たれます。これこそ局部修正と生成し直しの最大の違いです。
では、いつ全部やり直し、いつ局部修正を使うのか。判断は簡単です。出来上がりにすでに九割満足していて、ある一か所だけ直したい、通行人や雑物を除きたい、ある物を入れ替えたいなら、局部修正は必ず描き直すより正確です。逆に、構図も方向もまだ決まっていないなら、それはまだ生成し直しの段階です。先に大きな方向を回して整え、それから局部修正で仕上げに戻りましょう。
つまるところ、局部修正が埋めるのは、創作の最後の一マイルです。前の九割は生成で画面を仕上げ、最後のその気に入らない一か所を、一筆一筆きれいに直してもらってこそ、一枚の絵は本当に完成するのです。